「もうすぐ春なんだ」と花屋さんでアネモネを見てうれしくなってついでにラナンキュラスも買って生けました。
チューリップとともにでまわる色鮮やかな花たちです。
アネモネを見ると思い出すのは、クリムトです。
彼の絵には、花が欠かせませんが、丸くて中央が黒い花、あれはアネモネだと思うんです。
調べたところ、イギリスのテートモダン美術館のWEBにたどりつき、ある一枚の絵とともにアネモネの花言葉が紹介されていました。
クリムト「三世代の女性」(1905年、ローマ近代美術館蔵)です。
赤ちゃん、若い女性、老婆が一枚に描かれており、女性の一生をこのように表現することは、古くから画家に好まれてきました。
背景にデザイン的に描かれているのが、アネモネ。
この花は、ほおっておいても増えるので「豊穣、多産」のシンボルでもあり、一方、ギリシャ神話の世界では「はかなさ」を意味します。
実際にアネモネの花弁は風が吹けば散ってしまいそうなほど繊細。
なぜそんなに散るのが早いのでしょうか。
実は、ヴィーナスの哀しい恋のストーリーが原因だと言われています。
私は、勝手ながらですが、クリムトの絵にアネモネ(らしき花)が多く描かれているのは、彼が後者の意味をこめたのだと思っています。
ギリシャ神話を知っていると、そんなふうに絵画の見方が変わります。
1/24(日)15時~ 日比谷図書館から配信
画家・千葉政助が解説する「ギリシャ神話で楽しむ、美しい西洋絵画」
今月も、私たちの身近に存在するギリシャ神話のエピソード満載です。
どうぞお見逃しなく。
参考:テートモダン美術館
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